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診療報酬改定

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暑い日が続きますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?しっかり水分補給などをしていかないと、フラフラになってしまいそうです。

医療機関で行う治療には、保険診療と自由診療(保険外診療)があります。歯科で多い自由診療には、インプラント、歯列矯正治療、セラミックのかぶせ物や詰め物、自費の義歯、ホワイトニングなどがありますが、これらの費用は決められた額ではなく、歯科医院ごとに治療費用が異なります。

一方で保険診療は、ひとつひとつの医療行為ごとに、厚生労働大臣によって点数が定められており、その合計点数を1点=10円として診療費が決まります。たとえば1本の虫歯の治療であっても、虫歯を削って形を整える点数、型をとる点数、詰め物の点数、詰め物を接着するセメントの点数など1つ1つの行為ごとに点数が定められていて、それらの合計点数が診療費になります。それぞれの点数には定められたルールがあり、それらの要件を満たしながら算定していきます。そのため、私たち保険診療を行う医師(保険医)は、これらの点数やルールを熟知する必要があります。2024年6月には、この診療報酬の改定があり、多くの変更がありました。新しい制度についても、勉強して診療に臨んでいますが、改定したばかりの時は、診療室で混乱が生じることも少なくありません。算定に途惑い、お会計に時間をかけてしまったことあり、申し訳なく思っております。改定から1か月あまりが経過し、ようやく新しい制度にも慣れてきました。

改定の内容をこのブログですべてをお伝えすることは難しいですが、今日は光学印象について少しだけ紹介します。「印象」という用語は歯科では型どりのことを言います。お口の中に粘土のような材料を入れて固まるのを待つという、ご経験がある方は多いと思います。中には、お口に型どりの材料を入れられるのが苦手という方も少なくないと思います。私自身も型どりをされると気持ち悪くなることもあります。光学印象は、そんな型どりの方法とは全く異なる方法で、お口の中を小型カメラのスキャナーで読み取ります。最近ではスキャナーの性能も向上してきているため、とても鮮明にしかも短時間で読み取ることができるようになりました。光学印象自体は以前から行われている方法ではありますが、今回の改定で、保険の白い詰め物(CAD/CAMインレー)に適応できるようになりました。虫歯の部位、嚙み合わせ、残っている歯の部位などによっては適応にならない場合はありますが、この白い詰め物は奥歯の虫歯の治療において、多くの場合で保険適応になっています。以前は保険診療というと詰め物は金属という時代もありましたが、現在はこのような生態親和性や審美性の高い治療が行えるようになりました。スキャナーで読み取った歯のデータは技工所に送信し、技工所では歯科技工士がミリングマシーンという削りだしの機械を使用し、詰め物を製作します。これにより精度の高い詰め物を作れます。当院では、建物内の2階にNN Dental Laboという提携している技工所があるため、技工士さんとも対面で相談しながらの製作が可能となっています。

私は歯科医師として常々、技術向上や維持のための研鑽は欠かさないように心がけていますが、技術革新によって人間の手技だけではカバーできないようなことができるようになってきています。医科においても、手術用ロボットなどが活躍する時代なので、歯科でもさらなる技術革新によって、より精度が高く、より患者様の負担が少ない治療が可能になっていけばと思います。

なかなか日々の仕事に追われ、更新が遅れがちですが、頑張って続けていきます。

しろやま歯科 院長 大久保拓馬

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